天に手を、古に舞う

何度目かの清兵衛ブログ

ブリキの金魚がゆうり、ゆうり

流るる川の両側 立ち並ぶ古家は時を忘れ
水面の枯れ葉が何かを待つ 街灯だけがただ不気味に

太鼓橋に飛沫が跳ねる 音なく川下より登るそれは
鱗は様々に塗られ 尾は、水草の中、魚が揺れる

ブリキの金魚はゆうり、ゆうりと止まりて
木の葉の周りを回るるは

踊る金魚は皆も誘う 水門から水底から 集まる
あれよあれよと集いして 川一面赤赤赤 染まった

ブリキの金魚はわらり、わらりと集まりて
互いの周りを回るるは
ブリキの金魚はかうり、かうりとぶつかれば
木の葉の前で止まりて