天に手を、古に舞う

何度目かの清兵衛ブログ

だるまの面には顔が2つ

夜ごと泣き出す赤子の泣き声 達磨の面には顔が二つ
土間の良さは語り尽くせぬ 世と家紡ぐ九十九となりえ
土間の良さは語り尽くせぬ 三和土の香り広がる幻想
書生となりて文豪が夢 他人の家の土間で書を読む
書生となりて文豪が夢 才に溢るる他はよしとせず
夜ごと泣き出す赤子の泣き声 達磨の面には顔が二つ
土間の隅より コトリと音が 片目の達磨 こちらを見ておる
土間の隅より コトリと音が 片目の達磨 目がはなせぬ故 A’
達磨はコトリ 少し回転を むやみ動けぬ この世のものでなし
達磨はコトリ 少し回転を おや、達磨には 背中にも顔が
夜ごと泣き出す赤子の泣き声 達磨の面には顔が二つ
赤子の声が鳴り響く オギア、オギア、オギア、オギア、オギア
赤子の声が鳴り響く オギア、オギア、オギア、オギア、オギア
リンと鈴が鳴り響き、コトリと頭が落つれば
気づけば私が達磨だった
夜ごと泣き出す赤子の泣き声 達磨の面には顔が二つ
まるで正しい姿かのようだ 達磨で土間を見守りて
夜ごと泣き出す私の泣き声 私の面には顔が二つ