読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

天に手を、古に舞う

何度目かの清兵衛ブログ

理不尽な暴力

彼女は非常に焦っていた。
このままではまずいと思っていた。

ちらと足を見ると血が流れてきている。

別に彼女が何かしたというわけではない。
彼女を見るなり、いきなり殴打されたのだ。

危害を加えてきた男は、非常に興奮しているようだ。
わけの分からない暴言のようなものとともに、怒りをぶつけて来る。
目は充血しており、まるで親の仇でも見ているような顔だ。


逃げなければと思う彼女は相手から少し距離を取る。
同時に彼の罵声や動作から、襲ってきた理由を理解しようとするが、興奮しているからか何もつかめない。
また、彼女自身に襲われる覚えもない。

どこかで会ったのだろうか、、、?
そういえば、昨日の晩にどこかで見かけた気がするが、気のせいかもしれない。


とにかく逃げなければと思った彼女は、一縷の勇気を振り絞り、勢いをつけて走り出した。
振り返ると、棒状の何かで地面を打ち付けた後の男が見えた。

あぶなかった、、、!


二撃目を放っていたのだ。間一髪というところだろうか。

大丈夫、、、足には自信がある、、、!逃げ切れる、、!


動かない足を庇いながらも、必死で走った。

小柄な体を活かし、偶然にも見つけた隙間に入り込もうとした時だ。



急に視界が真っ白になる。

と、同時に体中に激痛が走り、そのショックから彼女は息絶えた。









男はゆっくりと近づき、亡骸をしげしげと眺めた後、彼女の体に新聞紙を被せ呟く。




「百足(むかで)の足って100本ないんだ、、、」